読書11 衆愚の時代

衆愚の時代
楡修平(作家)新潮社
 国民は、常に正しい判断が下せるわけではない。ときには国民の反対を制して判断することが政治家にも官僚にも求められると思います。衆愚にも衆賢にもなり得るのが国民。では民主党に拍手喝采したときの国民は衆愚なのか。と思って読んでみたのですが。
 最初に派遣切り問題を取り上げています。国や社会に派遣切りの批判をする前に派遣を望んだのは消費者ではないか、消費者の低価格志向に答えるためにメーカーが派遣社員を使うのはあたりまえだ。文句を言うなら派遣社員をつかうメーカーの製品を買わないようにするべきだ、との言説ですが。
 そのような事象を俯瞰しての筆者の価値観を期待したのですが、どちらかといえば、若者に対する生き方指南の書でした。