ギリシャは公務員が多すぎる

 ギリシャの財政危機の原因としてあげられるのが、公務員が多いというもの。国民の4人に1人が公務員であり、しかも給与水準が高いことが財政の破綻をまねいたとする説。
 しかしこれは本当なのだろうか。逆に公務員を増やすことで今まで何とかやってこられたとはいえないのだろうか。国として輸出で稼げず、貨幣価値が下落するのであれば、国民の所得は低下し、消費が縮小するのは避けられない。公務員を増やせば、失業率は減らせるし、給与は消費に回る。つまり、公務員を増やさざるを得なかったのではないかと。
 日本の場合も公務員削減が叫ばれるが、実際は先進国中で極端に公務員の数が少ないらしい。そうすると公務員だけでは業務をこなしきれないから、行政が民間へ業務を委託する割合が多くなるし、独立行政法人などの機関が増えるのも当然のはなし。こうした構造的な問題を無視して、天下りやムダ撲滅だけを叫ぶのは些末な話だと思う。
 今までの日本が異常に少ない公務員でやってこれたのは、実は先進国のなかでも社会システムがうまく機能していた証拠ではないだろうか。
 経済が成熟し、需要創出が必要な社会になった今こそ、実は公務員を増やすべき時代に来ているのではないかと思う。