日本と中国

 日本が名目GDPで中国に抜かれた。これって、日本の衰退を示す嘆かわしきことなのか。
 日本に比べ、中国は、人口で10倍。1人あたりGDPは日本の3万ドルに対し、中国は3千ドル。
 日本と中国を企業にたとえると、従業員1000人の中国に対し、従業員100人で同じ売上総利益(GDP)を稼ぎ出していることになる。そして、給料(1人あたりGDP)は、中国の10倍。
 十分な純資産をもつ老舗企業の日本が、いまさら売上拡大、多角化戦略を目指すべきなのか。そんな指導をする経営コンサルタントはいないだろう。
 薄利多売で伸び盛りの中国と張り合う必要があるのか。
 一方で、借入金は年々増え、高齢化した従業員の高給を維持することは難しくなっている。
 働きがい、従業員の幸福、蓄えた内部留保の運用に知恵を絞るべき時がきているのではないだろうか。