企業の負債は1000兆円

 企業の負債は1000兆円。それでもこれだけ減少した、という紹介記事です。バブル期は1500兆円あったとのこと。それでも日本企業は借金まみれだ。日本企業はヤバイ、とは誰もいいません。
 とすると政府債務1000兆円ってどうなのか。
 結局はこういうことです。


 昔            今
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│ │政府借金│ │ │ │
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│ │ │ │ │1000兆円│
│日本の │民間借金│  │日本の │    │
│インフラ│1500兆円│ → │インフラ├────┤
│ │    │  │ │民間借金│
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            │ │内部留保
             │投資資金│ │
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             │ │ │
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 日本のインフラは世界最大級。iPhoneもスカイプツイッターも使い放題なのは、インフラと電力会社のおかげ。
 そしてたまった現金は投資先がないため、手許現金は増え続けています。
 政府債務1000兆円という金額自体に意味はありません。
 民間と政府の借金のバランスをとるのが税制です。つまりは、GDPを企業と家計と政府に再分配する経済政策の問題だというわけです。
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 企業の債務圧縮が進んでいる。日銀の最新の資金循環統計によると、金融機関を除く民間企業の負債残高(時価、株式・出資金を含む)は9月末時点で992兆円と、1987年3月末以来、24年半ぶりに1000兆円を下回った。企業が財務体質の強化を優先し、資金借り入れを伴う新規投資には依然として慎重な姿勢を続けていることが改めて浮き彫りになった。
 企業の負債は2007年6月末に1544兆円とピークに達した。その後、08年秋のリーマン・ショックを経て、企業は銀行借り入れの返済を加速。過剰債務の圧縮を進めてきた。