読書メモ58 市場検察

市場検察
村山治 文藝春秋
> 金融動乱 金融庁長官の独白
> 五味廣文(元金融庁長官) 日本経済新聞社出版
>  あの時の経済情勢ではやむを得なかった、当時の法整備ではあれが限界だった。結果論では何とでも言える。このような言説が並びます。
>  ただ、検査を受けた銀行側の手記も読んでみたいと思いました。
 読んでみました。
 筆者の五味氏も登場します。見方が変われば印象も変わる。権力闘争は読んでいて楽しい。権力を行使する側はいつ権力に返り討ちにあってもおかしくない。しかし端から見て楽しいことほど当事者なるのは恐ろしい。そうでないと読み物にはなりませんので。今、幹部クラスの大阪市職員は大変だろう。
P287
 五味は、大蔵省銀行局調査課長として、「フリー、フェア、グローバル」を基本理念とする金融ビッグバンのもとになる金融制度調査会の報告書のとりまとめを担当した。事後チェック型・ルール強化型システム運営の「伝道師」とでもいえる存在だった。
 五味らは、金融機関に対し「しめしをつける」ため、UFJの検査妨害事件に厳罰で臨むことを強く望んでいた。