読書13 「まぐれ」と「極意」

「まぐれ」と「極意」 勝負に勝つ上達のセオリー
豊田泰光 日経BP社
 まぐれも理論が理解できれば極意になる。
 野球とは〜だ。というフレーズがよく出てくる。いつも野球について深く考えていないとでてこない言葉だと思う。そして野球選手は野球とはなにか、と問われれば、即答できなければならないという。それは経営者でも税理士でも同じ。それぐらい自分の携わる仕事について経験と思考を積み重ねれば、「理論」が生まれる。理論を持つようになって初めて、他人の理論から新たな発見が得られるようになる。
 それはさらに安易に他人の情報に流されない免疫力にもつながるのだ。
 「P41 野球も人生も「一人一理論」。これが私の哲学であり、生き方の基本だ。
 自分の中で磨き上げ、築き上げたセオリーを持つもの同士であれば、たとえ互いの主張が根本的に異なり、意見が激しく衝突したとしても、最後には必ず手を握りあえる。その「一理論」の衝突は、新たな発見や気付きを生むからだ。りかし、「一理論」がない人とは、そうした喜びを分かち合うことができない。」
「P91 プロ球団でレギュラーの地位を確保し続けているような一流プレーヤーは、型にはまった指導をそのまま受け入れない免疫力を持っている。自分の体格、プレーの癖、長所・短所までをよく心得ているから、指導者の指摘が自分に当てはまるか否かを瞬時に判断できる。当てはまらなければ「はいはい」とから返事をして、無視する。必要だと判断したら、自分にあった方法論にそしゃくしてから受け入れる。そんな防衛力がきちんと備わっているのだ。」