読書17 利益最大化を実現するアパート経営の方程式

「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式
幻冬舎 大谷義武・太田大作
 不動産賃貸業界の体質を詳細に説明し、経営の視点を持たないアパートオーナーはこれからの時代やっていけないと言い切るところが良い。中小企業オーナーは、リスク回避のためアパートオーナーである場合が多い。さらに後継者難や事業の将来見通しから、本業を廃止し、不動産賃貸業に転業するケースが増えている。
 税理士にとっても納税者へのアドバイスに直結する良書だと思う。
P6
「さらには、2つめとして、不動産業界(賃貸管理業界)の仕組みそのものに問題があります。具体的に言えば、アパートオーナーさんが管理を委託する管理会社の問題です。
 アパート・マンションの賃貸管理業界で行われている管理手法は大きな問題(矛盾)をはらんでいるシステムで必ずしもオーナーさんの利益を確保できるものではないからです。」
P43
「アパート事業は、『初期設定』および『管理運営』を適切に行わなければ利益のでない事業であるという認識をもって、オーナーさんは取り組む必要があります。」
P58
「『水が漏れた』『水(お湯)が出ない』『隣の音がうるさい』等々様々なクレームがあります。ここでのポイントはすぐに対応することです。」
P60
「家賃は基本的に下落していきますので、過去に入った(現在入居している)入居者は、現在もしくはこれから入る入居者に比べ、家賃が高いのが一般的です。ということは、その入居者の方にはできるだけ長く住んでいただくことが、経営的な観点ではもっとも高率が良いということになるわけです。」
P94
「賃貸仲介の営業現場ではその一瞬が勝負です。店頭にお客さんが来てやりとりをし、その場で案内に行きます。すると空室の鍵の所在が重要になります。
 こまかいことですが、このように鍵の所在によって案内したくなくなってしまうケースが多いのが、賃貸仲介の現場の状況です。」
P149
「優秀な営業マンとの人間関係をいかに構築するかということです。
 そのための関係構築において、基本となるのは広告料を支払うことです。それも相場より少しでいいので多めに支払うことです。」
P154
「どこどこの物件がいくらで募集していていくらで決まったか、この物件はなぜこの条件で決まるのか(決まらないのか)、等々ポンポンとそのエリアの物件にまつわる取引事例がでてくるような営業マンは、基本的に優秀な営業面であると言ってよいでしょう。」
P218
「では、ここから運用方針による施行方法の違いについてお伝えいたします。大きく分けると短期保有なのか、長期保有なのかという視点になります。
 5年〜10年程度の短期所有後の取り壊しが前提の塗装工事の場合は、過剰な工事は必要ありません。保有期間中の入居率の低下・雨漏り等ないレベル(復旧)程度の工事で十分です。」
P227
「この項では業者選定のポイントには触れていませんが、あえてポイントをお伝えすると、エントランス・エクステリア工事の専門業者には頼まない方が良いということです。経験上こういった専門業者は新築物件を手掛けたり、実需(自家用)の物件の工事を行うこと我多く、コスト意識にかけている場合が多いためです。
 そのため、当社でオーナーさんへご提案する場合には、あえて内装工事を手掛けるリフォーム業者に工事を頼みます。冒頭にてお伝えしたポイントの塗装以外の部分はすべてリフォーム業者で対応できるものです。」

P236
「アパート経営においてプロパンガスをうまく利用することは、利益の最大化において重要な役割を果たします。」

P237
「しかし、都市ガスでなくプロパンガスを利用した場合、プロパンガス会社が給湯器を無料で交換してくれるのです。なぜそのような明らかなメリットをオーナーさん側が享受できるのでしょうか。
 答えは現在のプロパンガス業界の現状にあります。」

P261
「そしてもう一つ、施設賠償責任保険も入るべきでしょう。
 これは、例えば強風時に、アパートの看板が落ちてきて下を歩いている縫う挙社がけがをしてしまった、というように、建物が原因で、人や物に被害を与えてしまった場合に適用される保険です。」