遺産税方式への改正

 現在の相続税の計算構造は、遺産をもらう人の担税力を考慮する方式を採用しています。
 相続で労せず遺産が手に入った。そこに税負担を求めよう、しかし、残された遺族の生活保障も考え、特例も認めよう、そのような趣旨です。
 民主党は以前より遺産税への変更を主張しています。
 相続人のことはあまり考えず、残った遺産に課税するわけです。つまり、なくなった人へ最後の所得税を課税するわけです。
 この改正を行うとすれば、間違いなく増税の手段として行うのでしょうね。
 高齢者が財産を遺せたのは、社会からの恩恵のおかげ。
 取得する遺族の担税力を考慮する現行方式ではなく、遺した遺産が幾らなのかを重視する。
 相続人が高齢化している現在、基礎控除など過大な優遇は不要だ。
 方式を変えてしまえば、国には増収でも、個々の納税者は減税となる人と増税と人がでてくるため、単純には比較できず、増税との批判も出にくい。また、上記趣旨は、一見スジも通っているので改正しやすい。
 課題はどのようなものでしょうか。
 日本には戸籍制度があり、遺産税は馴染まない。
 取得費の引継ぎなどはどうなるのか。
 配偶者控除、障害者控除などは残すのか。
 小規模宅地等の特例はどうするのか。