読書37 いま、知らないと絶対損する年金50問50答
いま、知らないと絶対損する年金50問50答
太田啓之 文春新書
年金は適切な改革をすれば制度は充分維持できるとする論。
そのため何が必要か。筆者によると次だという。
デフレに併せて、年金支給額を減額させる制度(マクロ経済スライド)をキチッと機能させる。
現役世代の所得に対する年金額の割合(所得代替率)を50%まで引き下げる。
現役世代の保険料率の20%まで引き上げと増税。
少子化対策を行う。
デフレの解消。
つまり、少子高齢化で現役世代の負担は重くなり、引退世代の年金は減額される。現行の水準を維持するものではない。これはあたりまえだと認識する必要がある。年金制度があろうとなかろうと現役世代1人で高齢者1人を支える時代が来るのですから。
さらに、上記を実行しなかったら、現在の年金積立金は20年後には枯渇。想定以上の大幅な保険料アップと年金額のカットになる。
国民の所得をいったん保険料というかたちで国に預け、再分配するのが社会保障。
そんなことはせず、個人の自己責任で格差を是とするのか。
小泉改革以降、日本人はどちらを選択すればよいのか迷いがあるように見えます。
年金破綻説は、流言飛語の類だと思います。次のことは、間違っていないと思うし、将来についても楽観してよいと思う。
P183
ヒヨコ「デフレが長期化しているのは人工減少のせい」という説もあるわね。人口が減っていく中で経済のパイを拡大するなんて、そもそも無理なんじゃない?
クマゴロー「それはあまりにも短絡的だよ。確かに労働力は経済の規模を決める大事な要素だけど、先進国の経済成長はこれまでも、人口の増加よりも技術の進歩による面がはるかに大きいんだ。……」