読書36 選択の科学

 選択の科学 文藝春秋
シーナ・アイエンガーコロンビア大学教授)
 今日一日何を選択しましたかと、日米の学生にアンケートを取ると、アメリカの学生は、日本の学生が選択とは捉えていないことまで、たとえば目覚ましのアラームのボタンを押すことから歯みがきをしたことまで「自らの選択」だと答える。 そんなことを「選択」だと考えるのは疲れないのだろうか、と考えるのがすでに日本人なのですが。
 アメリカでは手術をするかしないか、決定するのは患者の権利だという。しかし、我が子の治療方針の決断をし、不幸にも治療が失敗したときは、医師が決断し、同様の結果となった場合よりも、親の傷は深いという結果がでている。また、医療をビジネスととらえるアメリカは、GDPに占める医療費の比率が高く、民営化が必ずしも効率化に繋がるわけではない。