今を語ることは難しい

 阪神大震災では、当時は、復興は進まず、財政の悪影響が懸念されると皆言っていた。
 しかし、今は見事な復興を遂げたと評価しています。
 これは今回の地震も同じだろう。
 国民は民主党政権の犠牲者だとマスコミは言いますが、政権交代にはその前からの数年間にわたる国民全体の気分の盛り上がりと選挙での拍手喝采がありました。
 しかし、今、誰もそんなことは言いません。
 戦争もたぶん同じですね。戦争しかないという国民的気分の高揚感があったことは容易に想像できます。
 しかし、今は国民は戦争指導者による被害者でしかない。
 円が200円台の時は、100円台はあり得ないと言っていたそうです。100円台の時は100円を切ることはあり得なかった。
 しかし、今200円台が適正だとは誰も言いません。
 過去は微妙に上書きされてしまいます。受け入れやすいキャッチフレーズで語られてしまう。皆さん景気をリーマン前、リーマン後で語っているが、これは間違い。実際はその1年前から危機は発生していました。
 つまり、今現在は将来適正に評価されるわけではありません。
 そのためには、今を語っておくことが必要なのですね。
 そうでないと、将来、間違った今現在を語ることになってしまいます。