平常時の税法と異常時の税法

 税理士の申告業務はすべて、平常時の税制です。
 これに対し、破産や民事再生などの倒産法制、税理士のミスによる多額の更正処分、節税の失敗による税負担などは、異常事態税制です。震災復興税制などもそうですね。
 原因は、企業の破綻、税理士のミス、災害などです。このような場合には、ミスによる予期せぬ税負担、あるいは再建のための特例による優遇措置が必要です。
 で、今税制改正が、不安定です。見送りや修正が多く、専門家でも分かりづらい状況です。増税論議も迷走中です。日本は、異常時なのでしょうか。
 増税は、景気が回復してから。
 増税の前にやることがあるはず。
 このような論は、政府が国の運営をミスしている。経済は必ず回復する。つまり今の日本は異常事態だと認識するのなら正しいのですが。増税の先送りはまさに、現世代への特別優遇措置ですから。さらに異常時なのであれば、増税は日本復興のための特別税となってしまいます。
 そうではないと思います。
 常に今が正常。今あるべき税制は。
 この視点が重要ですし、それを伝えるのが、政治家に求められる資質だと思うのですが。