読書49 個人間利益移転の税務

 利益移転の税務〜?をQAでわかりやすく解説〜
 大蔵財務協会 小林 磨寿美 (著)、濱田 康宏 (著)
 税法勉強仲間であり、現在共著の執筆を進めている濱田康宏先生の著書が発売されました。
 相続や現金の贈与は典型的な利益移転です。誰でも相続税贈与税を意識します。
 しかし相続や民法上の贈与契約によらず利益を移転してしまっても課税対象です。無税での利益移転を嫌うのが税法。日本の税法はこれに課税することを前提に構築された理論体系です。
 実務家が絶対に避けるべきが節税の失敗。父が経営する同族会社の株式価値を減らし、息子の株式価値を増額させた。うまくいけば相続税の節税ですが、失敗するとみなし贈与課税。節税の最大の失敗は高率の贈与税課税です。
 最近の税制は、多様な利益移転手法を認めました。しかし、同じ数だけ節税失敗課税を生み出したことを意味します。
 個人間の利益移転の理論と実務をすべて解説しているのが本書です。