税法は整合性の理論体系

 主税局の役人がある制度を作れと指示される。
 そこで主税局の立案担当者は考える。

 1 誰のどんな利益を保護すれば良いのか。
 2 予測される節税はどのようなものか。

 3 1と2が決まってから基本(本文)となる条文を考える。
  節税を防ぎつつ、他の税法、条文との整合性を崩さないようにしなければならない。
  括弧書き等を加えていく。

 4 通達、Q&Aを公表し、税理士に周知する。

 1と2は、どこにも公表されません。
 改正の理由が、予期しなかった節税が行える不備が条文にあったから、とは言えるはずがない。

 それがバレないよう、もっともらしい立法趣旨を「改正税法のすべて」に書くのも役人の技術。

 そしてそれを探り当てるのが税法理論の唯一の解明手法といえる。