最近の税務調査の質が低下
「最近は税務調査官の能力が低下している」
税理士同士でよくある会話ですが。
私は違うと思ってます。
20年前のアンケートでも最近の調査能力は低下しているという声があがっていたのでしょう。
今も昔も調査能力に違いはないと思います。
たしかに細かい指摘は省略する傾向がありますし、円満に調査が終わることも多い。
これって成熟の結果だと思います。
昭和の時代を想像するに、
納税者の納税意識が低い。
調査官の税法知識もむしろ今より低レベルだった。
インフレの時代は、節税とは死活問題でもあった。
なにしろ利益額を上回る設備投資や雇用確保が必要だった。
このような時代では税理士も調査官も戦闘的にならざるを得ない。
平成の今、
税理士制度が成功し、税理士が正確な申告書を作ってくれる。
デフレの時代、節税は生き残りの動機にはならない。
むしろ適正な納税をすることが手元の財産を残すことに繋がる。
税務調査は、税理士を上手く使いこなす段階に入ったのだと。