GDPの配分

 日本の名目GDPはここ10年だいたい500兆円前後で推移しています。つまり日本という国は毎年500兆円前後の付加価値を生んでいるということです。社会保障政策、公共事業などというのは、この付加価値を政府が政策により分配しているものといえます。
 配分する権限が100%であれば共産主義。権限が小さくなればなるほど、より自由主義市場を採用している国ということになるわけです。
 自由度を増せば、効率化によりGDPが増加するというのが、いわゆる改革派や上げ潮派と呼ばれる人たちです。しかもGDPが増加すれば自然に富は末端にまで行き渡るという。
 そんなことはありませんね。日本が生み出す付加価値は結局は決まっている。単純な規制緩和は、富の偏りを生む。人工減少の時代は富をどう維持し、配分するのかが重要だと思います。
 単純に大きな政府、小さな政府という議論ではなく、個々に細部をつめ、専門的な議論をしていくことが大切なのだと思います。