読書5 確率思考のコツ

東大の先生が実践する 確率思考のコツ
西内啓 ぱる出版
 28歳の東大の先生が書いた確率思考の本。
 確率思考の目的は、長期的には人生の「不安」と「後悔」を取り除くことにある。まさに経営にあてはまることです。税理士が経営者のお話を聞きながら何をアドバイスをすれば良いのか考えるのも「不安」をどうすれば避けられるのかということです。
「P26 私が個人的に人生の中で恐れるものは2つあります。それは「不安」と「後悔」です。
 確率的思考により常に最良の選択をしようと、前節でみなさんに提案しました。それは単に、お金を儲けようとか、人のうらやむ仕事に就こうとか、そんなことのためではありません。そんなことよりも、私にとってはこの「不安」と「後悔」という人生における不幸の源から解放されることのほうが重要なように思えます。」
「P27 だから、自分の中で整理がついて、「これが最良だ」という信念をもってチャレンジした結果生じた失敗は、まったく自分の価値を損なわず、後悔に苛まれることもありません。」
 科学には謙虚さが必要。私も実務や税法に謙虚になるよう心がけよう。 謙虚な議論があってこそ納税者であるお客様に価値観に基づく提案ができるのでしょう。
「P56 私の考えでは、科学とはすなわち「もっとも謙虚に議論を行うための作法」です。そのため従来、科学とは主観を排除し確実な事実だけを議論します。」
 私が一番有用だと思ったのは、著者が一番言いたい部分というわけではないのでしょうが、次の文章です。
「P97 しかしながら、ここまでやっても推測は絶対ではない、ということは必ず心のどこかに覚えておくことも重要です。」