読書7 民主党が日本経済を破壊する

民主党が日本経済を破壊する
与謝野馨 文春新書
 政治家が本を出すのは、だいたいが宣伝目的なのでしょうし民主党を意識した本であるとは思いますが、それだけでは次のような言葉は、出てこないように思います。
「P16 世論調査の数字が万能のように扱われる時代とはいえ、世論やメディアの論調に『おもねる』だけならそもそも政治家は存在する意味がない。『日本人はブームに流されている時ほど大きな間違いを犯す』ということが、常に私の頭の片隅にある。」
 『漠然とした不安』という空気をまとっているのが今の日本だと思います。自分が何の病気かわからないときほど不安なことはありません。わかってしまえば、治療方針が決まり、それに立ち向かうこともできるでしょう。ただ、私個人的には、日本は本当に病気なのかどうか、という疑問もないではない。国民全員の一致した目標や追いつくべき目標というものなくなった日本は、流動化しやすい空気に覆われた国になっています。空気を読み取り国民の人気を得ることに成功したのが民主党。空気の流れを引き寄せるには、不安をあおるに限る。それはエコノミストの出す書籍のタイトルを見れば明らかです。
 政治家はそうした空気に流されるべきではない、安心を得るための国の設計図をきちんと示し、耳の痛いこともしっかりいうべきが政治家の役割だ、というのが与謝野氏の主張です。
 さて、自民党を離党した後、どのような行動を起こすのでしょうか。