読書21 連結納税制度導入の有利・不利判定

連結納税制度の有利・不利判定
佐藤信佑 中央経済社
 組織再編税制、連結納税のスペシャリストといえばこの人。
 完全な知識と実務経験がある人の専門書は読みやすい。
 連結納税は、本書のように導入する場合としない場合や、組織再編を選択した場合の比較で学習すれば理解しやすい。
 連結納税とは、100%グループ内の連結グループの所得を通算できるという課税単位の特例制度。
 連結納税を採用できる企業グループは限られる。赤字子会社があってもまず連結納税は採用できない。そのような子会社にはそもそも合併などの組織再編成を検討すべき。
 なぜなら、連結納税は、出口のない(撤回できない)制度であること、そして新たに連結加入する子法人に時価課税が強制されることから、新たな他企業の買収を困難にする制度だから。さらには、子法人の欠損金持ち込み制限もある。
 導入できるのは、親会社に欠損金が経常的に発生する純粋持ち株会社形態のグループくらいだ。