読書26 移行期的混乱
移行期的混乱
平川克美 ちくま書房
デフレ克服、社会保障問題、すべてを解決するのは経済成長か。経済成長がないのは政府の無策が原因か。
違うというのが本書です。
P141あたりの、成長戦略がないのが問題なのではない。成長しなくてもやっていける戦略がないのが問題だというのが、本書のテーマなのだろう。
結局は戦略のなさを批判しているわけですが。う〜ん、どうなんでしょうね。戦略がないのも戦略のうちのような気もしますし。それで結果がどうなるかなんて誰にもわかりませんし。
少子高齢化も消費の頭打ちも、経済停滞の原因ではなく、経済成長の結果だ。これは、その通りだと思います。
成功する企業や人は、未来を読む能力の有無で決まるのか。そうではないですね。大事なのは今この場ですべき仕事。これも納得。
P240
平川「そうですよね。結局「プロ」(ここでは前傾姿勢の意味で使っている)で考えてしまうと現在をないがしろにするんですよね」
鷲田「要するに、未来のために今すべきことを考えるのは、現在を犠牲にすることです」