税法と論理力2
さらに、論理の前提にあるのが、価値観や税法倫理。
このように言うと拒否感を示す税理士が多いですね。
税法に思想はない。
あるとしても課税当局が考える話。
税法の背景など考えたら実務家は返って判断を誤る。
条文の文字解釈がすべてだ。
しかし、税法条文を作成する立場で想像すると(いや、あくまで想像ですが)……
(1)規制したい租税回避事例や、あるべき課税関係を想定し、図にし、あるいは表にするところから始まる。ここは、主税局官僚の間でも大いに議論しているはず
(2)骨格となる条文を書く
(3)括弧書きや他の条文との関連など仕上げてゆき条文完成
(4)条文を、通達、Q&A、改正税法のすべてなどの解説で補足
(5)実務家がそれを基に書籍や雑誌の論文を書く
だとすると、在野にできるのは、逆を辿ること。
つまり、(5)から(1)まで辿る必要があることになります。(4)で止まっていてはダメなのでしょう。
なにしろ、実務において、節税の提案、税務署との交渉など、本当に重要なのは(1)なのですから。