読書メモ92 世界の99%を貧困にする経済

 世界の99%を貧困にする経済 徳間書店
 ジョセフ・E・スティグリッツ(ノーベル経済賞学者)

 アメリカの市場万能主義を批判しています。
 日本はアメリカを真似してはならない、公共財への投資削減や社会保障制度の縮小は将来を危険にさらすと。

 P39
 三〇年ほど前、上位一パーセントの所得総額は、国民全体の”わずか”一二%に過ぎなかった。この水準でも不平等は受け入れがたかったはずだが、その後、格差は劇的に拡大し、二〇〇七年の時点では、上位一パーセントの税引き後の平均所得が一三〇万ドルに達する一方、下位二〇パーセントのそれは一万七八〇〇ドルにとどまった。上位一パーセントの一週間の稼ぎが、下位五分の一の年収を四〇パーセントも上回る計算だ。また、上0.一パーセントの一日半の稼ぎは、下位九〇パーセントの年収にほぼひとしく、上位二〇パーセントの”税引き後”所得の総額は、下位八〇パーセントの総額より大きい。