税法の解釈
税法に解釈は不要だという人がいる。
個人的解釈を入れてはならないと。
これは間違いだろう。
あるいは、解釈というと判例を研究することだと思っている人がいる。
これも違うと思う。
税務調査で判例が役に立つ場面なんてない。
調査とは調査官と税理士と納税者の協働作業です。
仮に組織再編成税制なら。
経団連と主税局が意識するとせざるとに関わらず、
銀行をはじめとする業界再編は不可欠だった。
新しい制度を作り出せば、無意識的にでも社会の要求が取り入れられる。
たとえ主税局が明確に意識していなかったとしても、
社会で利用することを前提とした制度が構築されるのですから。
とすると、条文にはその前提が存在することになる。
というより前提(思想)がない条文は存在し得ない。
それが立法趣旨であり、そこで初めて条文が理解(解釈)できる。
整合性を構築するのが実務家です。
同じ経済行為には同じ税負担が課されるようにするためには、どのような解釈をする必要があるのか。
グループ内再編の要件になぜ株式継続保有要件があるのか。
共同事業要件がなぜ存在するのか。
整合性は、「なぜ」を解決しないと見えてこない。
字句だけで判断していては矛盾を矛盾のまま放置することになる。
矛盾の存在に気付くこともない。