選択肢を捨てるのが人生

 日経新聞夕刊のコラム「プロムナード」より。

 選択肢を捨てるというとなにかを犠牲にするイメージがありますが、違うのですね。

 若いうちはいくつもの可能性を持っている。
 これって、何も決まっていないわけです。

 選択肢を捨てて初めて、有限の資源(自分の能力、時間)を目標に向かって効率よく配分できる。

 何歳になっても選択肢を捨てられないほど不幸なことはない。

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 日経新聞2014年11月27日夕刊
 プロムナード「時間には限りがある」

 「人生は一つずつ選択肢を捨てていく旅」と誰かが言っていたが、い
やいや捨てるのではなく、積極的に捨てることで迷いはなくなる。何を
選び、何を捨てるかを、自分で決めるからこそ、選んだものを徹底的に
やり抜く覚悟ができるのだ。

 確かに仕事ばかりの生活はきつい。家族と楽しく過ごす時間もほし
い。酒も飲みたいし、もっと映画も見たい。しかし、生まれるはずだっ
た作品を生めずにキャリアを終えることの方が嫌である。

 政府は労働時間を短縮させようとしているが、そんなことは、それぞ
れの勝手ではないかと思う。

 自分の才能を絞り尽くすほど仕事に取り組まないと、絶対に後悔する。だから私は、若者の「自分探し」には大賛成なのである。