読書42 決断できない日本

 決断できない日本 文春新書
 ケビン・メア(前沖縄総領事)
 論理がシンプルで3日あれば読めます。
 状況を把握し、するべきことはすべきであり、現実的に実行可能なことを実行していくしかない。そのために障害となることは何か、理解を得る必要がある人達は誰なのか。
 普天間基地問題は、年月を積み重ね複雑なしがらみのダンゴを1本1本ときほぐす以外になかった。
 これを永久に解決不能にしてしまったのが、鳩山政権。
 当たり前のことが書いてあると思う。なぜ、日本人からこのような意見が出てこないのか不思議だ。
 利権は許せない、隠蔽体質はけしからん、だから東電をたたけ、というのなら、税理士制度なんて一番に廃止しなければならないことになってしまう。
 P37
 福島第一原発事故への対応を見ると、日本政府は全く指導力を発揮していない。たとえば補償問題などで日本政府がもっと迅速かつ大胆に動かないと、事故処理が前に進まないのは自明のことです。菅首相は、福島原発の事故処理をあくまで東電という私企業の問題と見る感覚から脱却できていないように思います。
 私はむしろ、東電を哀れに思うくらいです。東電はこの過酷事故をさばける能力を持った組織ではない。荷が重すぎるのです。汚染水の処理ばかりに足を取られ、ほかのことはほとんど何もできていない。事故処理のためには、もっと大胆に外国企業ととの連携を進める必要がある。