無意識という自分

 自分という人間をコントロールしているのは、自身の意識だと考えるのが普通ですが、実は意識というのは無意識によってコントロールされています。実験では、なんと、意識が「手を動かそう」と思う前に脳(無意識)は手を動かすための準備を始めているそうです。
 好き嫌いなど意識で決めるものではないですし、話しをするのもどの文字を言葉として発しようなどとは考えません。動作をするときにもどの筋肉を動かそうなどとは考えません。すべて無意識が自分をコントロールしています。
 ある物事に直面したときも、無意識が必要なデータを組み合わせて判断を行うわけです。それを意識は認識するにすぎません。
 つまり、「俺が自分の意思で判断している」というのは、無意識が判断した後に、意識が感じているクオリア(感覚質)に過ぎないというわけです。
 では無意識を司る脳の部位(大脳基底核)はどうすれば鍛えられるのか。
 脳科学者によると好奇心、これが一番大切なのだそうです。逆に情報を記号としてしか受け入れず、わかったつもりになることほど脳にとって危険なことはないそうです。
 日々自分の無意識を育てることが将来の自分の思考力を高めることになるのです。