IFRSの思想
IFRSは、貸借対照表を時価評価した企業の売却価値を開示することを目的にしています。利益は、純資産の差額である包括利益。つまりどのような経緯で利益が発生したかという歴史を問わないわけです。それを明らかにするのが損益計算書でした。そんなのはどうでも良いから、現時点での売却価値を教えてくれ。会社の収益性の評価は、俺(投資家)がする、ということなのでしょう。
なぜ、このようなルールを採用するのでしょう。数冊の書籍を読んだ感想としては、おおむね次のようなものでた。
・なぜBSアプローチなのかの解説なし。IFRS推進派の書籍。
・アメリカで受け入れられる会計基準とする必要があったから。単なる政治的な結果。IFRS批判派の書籍。
どちらも納得はできません。
既存株主が、長期保有することを前提に、売却価値の開示を求めるという理屈はあり得るでしょうか。
たとえば、中小企業をM&Aで買い取る視点です。
長期保有を前提としたデゥーデリの結果を毎期教えてくれ、という視点なのではないかと思うのですが。