読書66 動きが心をつくる

 動きが心をつくる 講談社現代新書
 春木豊
 生命活動に脳は必要か。
 不要なんですね。
 単細胞生物に脳はないし、植物にもない。地球上の生物の9割は脳がないのではないか。進化論的には生物が脳を手に入れたのは後半にあたる。昆虫には脳はあるが、(たぶん)記憶力はない。なので経験から行動を変えることはできない。外界の刺激が即、運動系に伝わるので、行動の選択は存在しない。
 次に生物が手に入れたのは記憶。これで行動様式が格段に多様化した。学習能力を手に入れたわけです。
 そして最後が意思。これで人間としての社会的活動が可能になる。 つまり先ずあるのは、行動であり、行動の多様化の進化が脳を作ったことになる。
 自分の心を変えたいと思ったら。
 そう、まず行動を変えることなのですね。