質疑応答事例の更新

 国税庁の質疑応答事例が一部新しくなっています。
 解散後の期限切れ欠損金の利用ですが。
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 法人税を計上したら債務超過になってしまう事案では、残余財産がないとして、期限切れ欠損金が利用できるとあります。

 しかし、この取扱いには次の循環計算が生じてしまいます。
 さて、この矛盾をどう位置付ければよいのか。


 《1》 解散後、財産を換金したことによる譲渡益150が発生している。
 土地譲渡後のBSは次だ。

        土地換金後のBS
  ─────────┬────────
  現金  161 │負債   111
     │未払法人税  0
     │資本等  250
     │利積金 ▲200


 《2》未払法人税を計上すると次だ。債務超過になる。


        未納法人税計上後
  ─────────┬────────
  現金  161 │負債   111
     │未払法人税 60
     │資本等  250
     │利積金 ▲260


 《3》そして、この会社の期限切れ欠損金は200だ。
 質疑応答事例によれば、期限切れ欠損金は利用できる。
 その期限切れ欠損金を利用すると次だ。
 残余財産が50残ることになる。


        質疑応答事例
  ─────────┬────────
  現金  161 │負債   111
     │未払法人税  0
     │資本等  250
     │利積金 ▲200

 結局、《1》に戻ってしまう。