2010-01-01から1年間の記事一覧

100%グループ内の組織再編(専門家むけ)

100%グループ企業であれば、従来の合併・会社分割などの組織法上の行為によらず、寄附や配当を利用して、組織再編を行うことができるようになります。それが、22年度税制改正で創設されたグループ税制です。 改正内容としては、現物分配(金銭で配当す…

今日の大機小機

今日の日経新聞の名物コラム「大機小機」のテーマは、アジアへの輸出は外需でなく日本の内需だと考えるべきという「アジア内需論」への疑問です。 アジアの成長が日本の内需拡大と同じと考えるなら、アジアからの日本への輸出も歓迎しないとおかしい。アジア…

言葉が組織を変える

元プロ野球選手の豊田泰光氏が日経新聞スポーツ欄に連載するコラムは、毎回経験者ならではの視点で語られていてなかなか面白い。 昔の野球は郷土色が濃く、チームで交わされる言葉は方言そのままだった。言葉がチームの文化となり、それがチームの個性を生ん…

ジーパンをはく中年は幸せになれない(レベル4)

先日読書メモで、コールバーグ教授のモラルについての以下の分析を紹介しました。モラルレベル1……自分の損得で判断する人。子供レベル。モラルレベル2……世間や社会のルールで判断する人。正論で相手を論破できると思っている人。正論の応酬に勝者なし。モ…

読書9 アホの壁

アホの壁 筒井康隆 新潮新書 アホな人間についてだけでなく、自分の中にあるアホの壁、さらにはどうやってアホとつきあえばよいのか、色々な実例を出しながら論じている本です。 たとえば、今のバラエティ番組のつまらなさについては、次のように分析してい…

読書8 論点思考

論点思考 BCG流問題設定の技術 内田和成 東洋経済新報社 どうもわたくしブランドに弱い(^^;) 世界でもっとも有力なコンサルタントのトップ25人に選出されたという著者略歴を見て買ってしまいました。 う〜ん、総論としては正しいことが書いてあるので…

米国経済が復調している

雇用・消費など各種の統計では、米国経済が復調傾向にあるという。それに伴いニューヨーク市場の株価も上昇している。一方で日本の株価は出遅れている、というのが一般的なニュース記事の見方ですが。 サブプライムショック後は、住宅価格下落により住宅価格…

読書7 民主党が日本経済を破壊する

民主党が日本経済を破壊する 与謝野馨 文春新書 政治家が本を出すのは、だいたいが宣伝目的なのでしょうし民主党を意識した本であるとは思いますが、それだけでは次のような言葉は、出てこないように思います。 「P16 世論調査の数字が万能のように扱われ…

読書6 ジーパンをはく中年は幸せになれない

ジーパンをはく中年は幸せになれない 津田秀樹「本物の心理テスト」主宰 アスキー新書 少年期の不安定な心理(思春期の危機)を乗り越え、人間は、アイデンティティを年齢に応じて更新していくべき。思春期のアイデンティティのまま、次々に訪れる人生のステ…

読書5 確率思考のコツ

東大の先生が実践する 確率思考のコツ 西内啓 ぱる出版 28歳の東大の先生が書いた確率思考の本。 確率思考の目的は、長期的には人生の「不安」と「後悔」を取り除くことにある。まさに経営にあてはまることです。税理士が経営者のお話を聞きながら何をアド…

個別税法の物語

税金は、あくまで個人、法人別々に計算します。夫婦であっても100%子会社であっても、取引があれば所得税・法人税は個別に計算。 たとえば一家の所得税はその家族の所得を合計して計算する、という制度も可能ですが、日本ではそのような課税単位は採用し…

疑問を持ち続けるのって意外と難しい

本当の情報ってなかなか見えません。 本当のことを知っている人は、マスコミなどの表には出てこないし、出てきてもあまり取り上げられない。 必要なのは溢れる情報のなかから必要な情報をつなげて自分なりに知識として位置づける作業です。 そのためには、何…

99%子会社の解散

では、100%子会社でない子会社の解散はどうか。 解散しても通常の所得計算を行います。これは、改正前でも同じ。変わるのは、清算確定時です。解散前のように清算所得に対する法人税を確定し、清算手続き中の既払い法人税を控除しません。 最後まで損益…

100%子会社の解散

グループ税制の創設に伴い、100%子会社の解散が次のようにかわります。 (改正前)財産課税。残余財産があれば、資本と課税済利益(純資産)を超える部分は清算所得として法人税・地方税を課税。 (改正後)子会社の吸収合併と同じだとする思想が採用さ…

ブログのタイトル〜語れること 語るべきこと〜

有能な実務家は語るべきものを持っている。 これは、ある書籍の一文であり、弁護士の先生からの紹介で知ったのですが、私が独立を決断することになったひと言でもあります。 税理士とは、税金の計算をするだけなのか、記帳の代行屋さんなのか、あるいは節税…

GDPの配分

日本の名目GDPはここ10年だいたい500兆円前後で推移しています。つまり日本という国は毎年500兆円前後の付加価値を生んでいるということです。社会保障政策、公共事業などというのは、この付加価値を政府が政策により分配しているものといえます…

グループ課税

複数の会社を経営する社長さんは、グループ経営のあり方を見直す必要がでてきました。 平成22年税制改正で予定される「グループ税制」は100%支配のグループ企業経営者のための改正です。 今まで税理士の先生から、親会社と子会社の取引に関してはさん…

未知への旅

知識が増えれば増えるほど、未知のものがあることを知らされる。 そして知る喜びも増していく。 知識の探求とは旅のようなものだと思います。旅をすればするほど未知の世界があることを知らされ、もっと多くの旅をしたくなる。 まだまだそのような境地には至…

頭の空気を新しくする

こころに風穴をあけ、空気を入れかえてみる。そうすることで今まで見えなかったものが見え、新たな発想ができるようになる。目の前の現実も違った受け止め方ができるかもしれない。 心に風穴をあけるために読書をし、ものを考え、人と会話し、仕事をする。 …

心の醸成期間

納税者にとり、税金というのはときに非常識だと感じてしまうのは仕方のないことです。儲かれば税金を払う。これは当たり前なのですが、何でこれに税金が?と感じてしまうことも珍しいことではありません。 こういう場合には心を整理して納得するのに時間が必…

税負担許容度

税法実務の世界では、否認されるリスクが常につきまといます。調査で問題になることが予想される場合に、否認されることを覚悟で処理を実行してしまうか、安全策を選ぶか。 そして否認された場合の精神的許容度は、納税者によっても異なります。税務署に認め…

きれいな仕事

仕事の合間にコツコツと事務所のホームページを作成しています。つい先月までHTMLという言語すら知りませんでした。 素人である私の作ったHPデータのメモ帳を、知識のある人からみたら汚らしくて見てられないはず。 これは、決算書や申告書も同じです…

なぜ日本は不景気なのに円高になるのか

社長さんとの会話です。なぜ日本はこれだけ財政状態が厳しいのに円高になるのか。それを説明できている人はどこにもいないんじゃないの、というのが社長さんの意見。 たしかに経済危機以後円は上昇してきました。巷間ではいろいろな言説があります。いわゆる…

知識の不備を痛感・・・トホホ

今日は、税務署が主催する確定申告の「コールセンタ−」の担当員を務めた。去年まで参加したことなくて初めての経験。 大半は税理士に依頼していない納税者からの所得税や消費税に関する質問。まあこれでも10年超は実務をやってるので、たいしたことないだ…

幸せを測る物差し

2月27日(土)の日経新聞朝刊のコラム「大機小機」は、国の成長を測るのに国内総生産(GDP)を用いるのはそろそろやめてはどうか、という内容です。もはや耐久消費材が国民のあこがれではなくなったてしまったのだから、幸せを測る物差しも経済的な指…

よくわからんが何か変わりつつあるのかもね

最近ドルが下落してもニューヨークダウ平均が上昇することが多くなったように思う。今日(2月26日)もそうだ。経済危機までは、ドルが上昇すれば、ダウ平均も上昇し、それによりそうように日経平均も上昇していた(当然円は下落する)。 株価は複雑系であ…

読書4 ジャンボ機長の状況判断術

ジャンボ機長の状況判断術 坂井優基 PHP新書 航空機の操縦には、リスク管理の積み重ねの歴史がある。新たな危機回避の方法が常に研究され、報告される。 基本は、何か感じたことはすべて言ってみること。他人が言ったことは必ず考えてみること。大丈夫だ…

心の税法

行動経済学に「心の会計」というものがあるそうです。自分が稼いだ1万円とギャンブルで得た1万円を価値の違うものと感じてしまうというような、人間の経済的心理を指します。 なるほど同じように「心の税法」も巷間さまざまさな場面でみうけられます。 借…

読書3 文章は接続詞できまる

文章は接続詞できまる 石黒圭 光文社新書 なるほど。文章を書くのは難しいのだ。 「文章というのは社会的な存在です。読み手が読んで理解できるように書かなければなりません。しかし、私たちが文章を書くと、どうしても自分の論理で書いてしまい、その結果…

読書2 大人のための嘘のたしなみ

大人のための嘘のたしなみ 白川通 幻冬舎新書 著者は、一橋大学卒業後、広告代理店、投資顧問会社を経て作家となるまでにギャンブル、酒、千人斬りの限りを尽くしありとあらゆる人間を見てきたという。 なるほど、よい嘘は、人間関係を円滑にする。悪い嘘は…